アクセラレータープログラムの成功要因
今回はアクセラレータープログラムの成功要因について投稿できたらと考えています。
アクセラレータープログラムの担当のみならず、参加しようと考えているスタートアップ 関係者にもあまたあるプログラムから最適なものを見つけられるヒントとなればと考えています。
アクセラレータープログラムといえば、各アクセラレーターの実務担当者が分散的に存在しているベストプラクティスを学びながらプログラムを手探りで設計していることと思います。
とはいえ、どういったプログラムが成果(プログラムに参加するスタートアップ の成長)につながっているかということは厳密にはわからずに企画されているかもしれません。
少なくとも国内では、どういう取り組みが成果につながっているかの研究はなされていないと思われます。
ただし、グローバルに視点を移してみると、上記の問題について分析がなされています。
これらの研究をベースに、要点をまとめていこうと思います。
特に、成果に繋がる上で重要と考えられていることについて、2点、列挙していきます。
- メンタリングの充実度
成果につながっている要素として、重要だと指摘されているのがメンタリングです。プログラム中、いかにメンターと参加者が深く関わるかが肝になってきます。
いろんな観点でスタートアップ の皆さんもプログラムに応募するか検討されると思いますが、極論を言えば、是非繋がりたいメンターがいるかがシンプルかつ強力な基準になります(まったく業界もビジネスモデルも違う、ただ有名な人というのは避けないといけませんが)。
特にメンターの構成ですが、メンター陣は先輩起業家で構成されていることがベターです。スタートアップの場合、先輩起業家が最も状況を分かち合え、必要なアドバイスやネットワークの提供ができるためです。
加えて、メンタリングの頻度ですが、決まったものはありませんが、できるだけ密に実施できることがいいです。月1回とかですと、正直不十分と言わざるを得ません。せめて、1週間に1回程度が理想的な頻度になります。 - コホートの充実度
二つ目の要素としては、コホート(同じタイミングで採択されるスタートアップ の人たち)が充実しているかです。そして、他の人たちと深く交流することです。
昨今、コロナのせいで他の人たちと物理的に会うことが難しくなってきましたが、やはりシェアオフィスなどで実施されるところが強いでしょう。
そんなの採択されないと分からないということかと思いますが、判断できる基準としてはアラムナイを確認することです。自分たちのロールモデルとなりそうな人たちがそのプログラムを受けているかどうかというのがわかりやすい基準になります。
ここからは、プログラムの企画者向けの内容ですが、上記に記した観点でアラムナイトの関係の維持は極めて重要です。また、コホート内での交流の促進のために、わざと各チームの状況を公開したり、練習ピッチを見せあったり、席替えをしたりしています。
以上の2点が極めて、重要な成功要因になります。
他にも、プログラムの企画者向けのネタとして、どうやってプログラムのコンセプトを打ち立てるか、どうやってスタートアップを選出するか、プログラムを運営するかについて科学的に分析されたデータがありますが、これについてはかなり込み入った内容になるのでお問い合わせがあれば書こうかなと思っています。
アクセラレーターとは
スタートアップにとってスケールするのをしやすくするものとして、アクセラレーターというものがあります。
米国でY Combinatorが設立されて以来、世界各国でその取り組みが拡大しています。
アクセラレーターとは何かについては、提供機能により定義づけられており、資金的援助、ネットワークの提供、メンタリングの実施、教育プログラムの提供などを一定の期間でする機関のことになります。
インキュベーターとはどう違うの?ということはよく聞く話ですが、実はそんなに違いはありません。
少し前まではアクセラレーターは投資によるリターンを収益源としていて、インキュベーターは賃料を収益源とするみたいな分け方をしていました。
が、現在のレベニューモデルは両者とも多様化しており、その差異で定義を分けることは困難になってきています。
現在では、期間を設けるか否かが両者を分けるキーワードとなっています。
そんな中、スタートアップがより成長する機会を提供するアクセラレーターの傾向が研究により明らかになってきています。
次の記事以降では、その点について明らかにしていきたいと思います。
スタートアップ、新規事業の失敗要因
思い入れのある事業が失敗するのは誰でも避けたいもの。
良くある失敗要因をまとめることにしました。
逆にいうと、これらを避けることで成功確率を上げることができます。
1.顧客のニーズあるいはウォンツを見誤ること
予めニーズやウォンツの仮説を持つことは当然かと思います。
しかし、その仮説の検証を十分にはせず進めていくことはとても危険です。
この仮説の検証に関する手法はありますが、長くなるので別の記事にします。
2.競合相手を見落とすこと
競合がないブルーオーシャンですというのは簡単ですが、実は競合は存在していて、負けてしまうというのはよくあること。
アントレプレナーはあまり競合に意識が向かないからがむしゃらに頑張れるのは事実ですが、それゆえに失敗すると言われています。
投資家や決済者に良く見せるためにブルーオーシャンと言い切るのは作戦のうちですが、きちんと分析して、戦略を組み立てることが必要です。
3.財務会計知識の欠如
そろばんができることはとても大事です。
いわゆる黒字倒産を避けるためにキャッシュフローの理解をしないといけません。
また、財務戦略上、どういう資金調達手段を用いるかや投資を受ける際の契約書の条文で論点を押さえとかないと経営権を失いかねません。
以上が失敗のメジャーなポイントです。
それぞれのポイントについて深掘りは今後していきます。
ブログを書くにあたって
久しぶりにブログを書きます。
最初に始めたのがBlog黎明期ごろだったかと思います。約20年前の話です。
ブログと読むかどうかわからず、勝手にビーログと読んでいました。お恥ずかしい話です。
さて、本ブログはスタートアップや官民の新規事業の担当者の方々に少しでも役に立てたらという思いで書き始めました。
世の中、どうやってイノベーションを起こすのかという話題については、様々な理論やフレームワーク、成功者の体験談など多種多様な情報に溢れています。
本ブログでは、いわゆる理論をベースとして、できるだけ簡素にお伝えできればと思います。
理論をベースとする理由は、客観的な事実の積み上げから構築されているからです。
まずは試行錯誤の始まりということでこの辺りで終わりとします。